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課題曲Ⅳ課題曲

管楽器のためのフィナーレ

伊藤康英/全日本吹奏楽連盟委嘱作品

2026年7月16日(木)

「ぐるりよざ」で知られる重鎮が約30年ぶりに書いた課題曲。ソナタ形式でがっちり組まれた構築美の一曲で、4曲でいちばん手ごわい上級者向けです。

交響詩「ぐるりよざ」などで知られる、日本の吹奏楽を代表する作曲家の本格作。1996年の「管楽器のためのソナタ」以来、およそ30年ぶりの課題曲書き下ろしです。さまざまな音楽の断片が寄せ集まり、全体で一つの大きな形を結ぶ——近づいて一部だけ見ると迷いますが、慣れると設計がくっきり見えてくる、緻密な構造物のような一曲。ソナタ形式でがっちり組まれ、音名をなぞる古典的なモチーフ(BACHなど)への目配せも効いています。

演奏のポイント

  • タイトルは「フィナーレ」。その前に長大な楽章があって、その締めくくりだけを凝縮して取り出した——そんなイメージで、冒頭からいきなり“さあ、ここからが本番”という高いテンションで入りたいところ。難しさはまさにそこにあります。
  • 4曲でいちばん手ごわい上級者向け。弱起で始まる2拍子は、細かく数えるより大きな2拍子のうねりとして捉え、強拍に重心を置くと流れが生まれます。
  • 完成度を決めるのは各パートの役割理解。ホルンが木管・金管・低音をつなぐ橋渡しを担い、各パート2ndが受け持つ和音の音も要。調性が移り変わっていくので、低音とユーフォニアムは和声の流れを意識してベースラインを明確に。
  • 細かく書き込まれた発想標語(楽語)を一つずつ頭に入れ、流れとして組み立てないと、構成感を欠いた演奏になりがち。作曲者自身の解説動画もあるので、そこからヒントを得て“設計図”を読み解いていくと、分析そのものが面白くなります。
  • 聴かせどころのひとつがティンパニのソロ。課題曲では珍しい見せ場で、後半は短い休みの合間にペダルで次々と音程を替える難所です。どこで替えるかを譜面に細かく書き込んでおくと安全。楽譜のテンポは守りつつ、そこから受け取ったインスピレーションを表情に。

こんなバンドに

技術も音楽性も充実した大編成・上級バンド向け。取り組むほど確実に力がつく、伸びしろの大きい一曲です。

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